あの日、あの時、あのクルマ

ちょっと前までまちなかで見かけたあのクルマ。そういえば最近見なくなったあのクルマ。ヒトとクルマの織り成す、日常の風景を記録していきます。

ニッサン,キューブ@新潟万代

 

「キューブ・イン・マイルーム」

このキューブが世に出た頃からだろうか。

カーデザインが雑貨っぽくなったのは。

“雑貨っぽい”というのは決して安っぽい、プラスチッキー等の

マイナスイメージではなく、

居心地が良い等のプラスのイメージで捉えていただきたい。

なぜ、居心地の良いクルマができあがったのか、

自動車文化の観点から考察してみる。

 

古来より、日本人は運転することが嫌いであった。

嫌いであったと言えばやや語弊を含んでいる。

正確に言うと、できる限り運転していると感じないように、

クルマというものの存在を定義してきた。

クラウンやレクサスなんかは車内にいるとエンジンがかかっているのか

気づかないくらい静粛だし、

江戸時代の駕籠は移動中でも小窓から道行く人と会話ができる上、

格子窓、ござ、お茶ができるよう棚がついている。

それだけでなく、駕籠に乗っていれば、降りることなく、

道路空間からそのまま土間へと進入することができ、

ドアtoドアどころか言うなればドアintoドアを実現してさえいる。

このように日本人は移動中もその移動を意識させないような仕立てを

昔から実践してきたのである。

その意味では、キューブのオーディオの質感、ソファの座り心地、スウィッチ類の仕立てに至るまで、全てが自分の部屋にいるのと変わらない空間を演出しており、

なんとも居心地が良いのである。

日本人がクルマを作ると自然とこういうのができあがるんだ、

と思って感動していましたが、次期キューブはもう開発していないそうですね。

日本人を代表して「残念!」と言っておきます。